人工マグマ炉
人工的にマグマが作れるらしい。レシピは、基本的に石ころに
溶かすみたいだ。
刀鍛冶のあの美しさを彷彿とするような洗練された空気が漂う。
温度は1148度程度。
あ、よく考えたら、高炉か⁈
しかし欲しいのは、精錬するための炉なんかじゃない。
全てを分解するマグマ炉だ。
ウェアラブル端末が普及して、家庭から、職場から中小型の
ディスプレイが必要なくなった時、この子たちは大量の廃棄物
となる。
その時には、臓器と同じように、使えるところは抜き取られ、
"使えない"ところは埋め立てにまわる。
でも本当のところ、埋め立てにまわるそれらは、"使えない"ん
じゃない。我々が"使う術"を持っていないだけなのだ。
ぼくらが手にしているものは全て、地球から抽出したものだ。
地球はその昔、どろどろに溶けたマグマの塊だったらしい。
科学万能と言われるこの時代、その頃にタイムスリップさせる
炉があったら、ゴミ問題解決に一歩近づくんじゃないだろうか。